誰にでも好かれるヒケツとは!? 「のぼうの城」 著:和田 竜 [書籍]
今回紹介するのは書籍です。
タイトルは「のぼうの城」 著:和田 竜 !
この作品は2009年の本屋大賞で2位に選ばれた作品であり、
2012年には映画化もされています。
映画は大好評で、日本アカデミー賞ではなんと10部門で優秀賞を受賞!
そのうち美術賞では最優秀賞を受賞という、輝かしい成績を収めています。
ちなみに本屋大賞ってなに?
と知らない人向けにざっくりと説明しますと、
「全国の本屋さんが選んだ好きな本ランキング」です。
現場で働く人からのアンケートみたいなものなので、とても参考になります。
僕も新しく本を選ぶ時には、こちらの受賞作品のチェックは欠かせませんね!
この本は僕が長崎に学校の都合で出かけた時に出会いました。
夜ホテルで時間過ごすにはどうしようかな?
と考えて、現地の古本屋にふらっと立ち寄ったところ
「のぼうの城」が目に入ったので購入してみました。
これで2時間ぐらいは過ごせるな~、
と考えながら読み始めたのですが、まぁ面白いこと面白いこと!
テンポ良く進む話に、クセが強いけど魅力的な登場人物たち、
そして心から応援したくなる主人公!
爽快感あふれる戦の決着でテンションはマックスになります!
戦が終わったあとのエピローグでは
クライマックスを終えた後の解放感と、
登場人物たちともうお別れなのか、というもの寂しさで
少しセンチメンタルな気分になっていました。
そして気づいたら朝日が昇っていました!
ヤバい!明日(というか今日)研究結果発表するのに!
こういうところで時間区切れないあたり
やっぱりバカなんですねぇ(笑)
その日はなんとかなりましたが、
それだけ「のぼうの城」には夢中にさせられたんです。
「時間を忘れる」とはまさにこのことでした!
それでは僕が夢中になった作品のあらすじを紹介しますね。
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時は戦国
あと一歩で豊臣秀吉が天下統一する、というタイミングでした。
関東地方で当時最強だった北条氏に対して
豊臣軍が仕掛けた戦(小田原征伐)でのできごと。
北条氏はいくつも支城を抱えており、全支城には
「侵攻に対して籠城(城に立てこもり、侵攻を防ぐこと)するように」
と指示を出していました。
その中の1支城である忍城(おしじょう)での戦が今回のお話になります。
忍城当主のいとこである成田長親(なりたながちか)は
背は高いのですが、戦はだめ、運動もだめ、おまけに不器用でした。
農作業が好きなので、よく農民を手伝いに行くのですが、
いかんせん不器用なので、むしろたいていは邪魔になりました。
そこで領民からは「でくのぼう」からとって「のぼう様」と呼ばれ、
バカにされつつも親しまれていました。
今回の戦、北条氏にあまり勝ちの目はありません。
そこで 忍城当主の成田氏長(なりたうじなが)は、
表向きは北条氏に従うふりをしながら
実は水面下で秀吉への寝返り工作を進めている状態でした。
そんななか、忍城には石田光成率いる秀吉軍が迫ってきます。
光成は秀吉から城攻めを期待されていたこともあり、
戦の勝利をものすごく欲していました。
降伏を決めた成田氏長に対して、何としても戦をしたい石田光成。
光成の戦に持ち込むための策略で
成田氏だけではなく忍城メンバー全員が侮辱された時、
「のぼう様」こと成田長親が動きます!
そこから先の忍城メンバーの活き活きとした活躍!
逆境からの長親の一大作戦!
ここから先はぜひ自分で読んでみて下さい!
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もうなんというか、爽快!
この一言に尽きます。
敵も味方もみんな魅力的!
わき役のひとりひとりまで、とても好きになってしまうこと間違いなしです。
歴史小説はお堅いものというイメージがあって、
あまり今まで読んでいなかったのですが、
「のぼうの城」はホント読みやすいです!休憩なしで行けちゃいます!
~成長ポイント~
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本作に登場する「のぼう様」は、とても優秀な人間とはいえません。
身分の低い領民からばかにされるほどです。
それでも彼は敵味方から時に愛され、時に認められています。
それは彼が、
どんな立場の者にも同じ態度で接するから
そして、
チームの気持ちをくんで行動してくれるから
ではないでしょうか。
こんな人間になれれば、のぼう様のように
まわりの人を味方につけることができるはず!
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ちなみに映画ももの凄く面白かったです!
主人公の長親を野村萬斎さんが演じているんですが、ピッタリのはまり役!
他のキャストももちろんしっくりくる配役でした。
特に上地雄輔さんが光成役というのは驚きでしたが、
さすが俳優さん!全く違和感を感じない名演でした。
本書はこちらからどうぞ。
戦国ものが好きなら読まなきゃ損です!
原作読んだら映画も観ときましょ。
手元に置いておきたい名作です。